第7回波野プレイキャンプ

田舎で遊ぼう!!

〜50年前にタイムスリップ〜

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<保護者の方から心温まるお礼状をいただきました.>


緑のまちづくり交流協会 スタッフの皆様へ.

 スタッフの皆様,大変お世話になりました.健軍小野球部10名.昨日は,野球をしている時よりも生き生きとヽ(☆д☆ノ)した眼で帰って参りました.

 竹を切って器やおはしにした事,たけを切るおじいちゃんスタッフの斧のすごい手さばき,五右衛門風呂での朝風呂,囲炉裏でお話していただいた「将来の夢」をたてること,野菜収穫に組みひも,御神楽に山登りと…etc

 現地で説明があったとおり,子供達の満足度120%でした.ゲームなんかすっかり忘れた1泊2日だったようです.核家族が多い今の時代,子供達に必要なことを教える人も,機会もなくなった世の中となりました.親の私達も忙しさを理由に,自然のすばらしさや生きる力,そして,生活の知恵を先輩(おじいちゃんおばあちゃん)方から教えていただくチャンスに背を向けていたように思います.感謝の気持ちで一杯です.帰りの車内では各自楽しかった感想を言い合い,「あの家は自然の玉手箱やで〜」「俺,自給自足のあんな生活をしてみたい」「組みひもをもう一度やってみたい」「おじいちゃんが斧でコーンと一瞬にして器を作った.すご〜い」等々子供達は昔の子供と同じ感性を持っているのに,大人がより住みやすい,時間のかからない便利な生活を作りすぎて,今の社会…心のコントロールがとれなくなっているのかもしれません.

 昨夜の子供達は,どんぐり等のクラフトを枕の横に置き,深く,幸福な眠りについたことと思います.ありがとうございました.スタッフの皆様,お家を貸していただいた東海大の先生,おいしい野菜とお米を提供してくださった方に感謝の気持ちで一杯です.お世話になりました.

 (以上)


<オリエンテーション>


 司会をする園村さんと井上さん(左)です.今回はスタッフとして4名の女性も参加していました.

 2006年11月4,5日に波野の家で子供たち20名を集めて第7回波野プレイキャンプをしました.年賀寄付金の助成を受け,熊本県,熊本市および阿蘇市教育委員会,熊本県教育委員会,熊本市教育委員会の後援で熊本グリーンヘルパーの会が協力し,緑のまちづくり交流協会が主催したものです.障子などは建具屋の松本さん,10月28日に掃除などは熊本グリーンヘルパーの方達,学生,木之内さんなど,たくさんの方に協力していただいてこの研修ができました.


<名札>


 来た子供達から、順に名札を作りました.堺さんがサクラやケヤキの木から準備していたものです.ペイントを使って表に名前,裏にニックネームを書きました.


<竹切り>

 昼は,3班に分かれて1)竹で食器作り,2)木の実クラフト,3)ロープワークをしました.その間,手の空いている子供達は風呂焚(た)きやご飯炊(た)きをしました.

 最初にしたのは裏山からの竹切りです.岡田さん(手前左)や田添さん,境さん,などが指導して,大きな竹が倒れる時には,歓声が聞かれました.


<ロープワーク>

 グリーンヘルパーの会,会長の河崎さんが,ロープワークを指導しました.ロープワークは,特に大人になって覚えたものは忘れやすく,子供の時に覚えたものは,忘れません.


<食器作り>

 切った竹で,緒方さんや岡田さんなどが,箸や皿,コップなど食器の作り方を教えていました.

 ナタやノコギリ,ナイフなどを使って作りました.


<木の実クラフト>

 竹原さんの指導で,木の実クラフトをしました.

 持って来た木の実クラフトの材料です.集めるのが大変だったろうと思いました.

 木の実クラフトの作品です.可愛い作品がたくさんできました.

 木の実クラフトは,夏に東京から斎藤さんにわざわざ来てもらって指導してもらったもので,早速,役に立ちました.


<五右衛門風呂>

 風呂を焚きました.頬をふくらませ,火吹き竹で思いっきり空気を入れると火力が強くなります.空気を送ると火力が強くなることを体で覚えました.これが知恵です.団扇(うちわ)より火吹き竹の方が優れています.恐らく始めて本格的に火を使う子供達を指導しているのは南さんです.

 五右衛門風呂に入りました.昨年,水漏れがするということでしたが,熊本ではラジオの宣伝で有名な「お風呂のしんどう」の新道「しんみち」さんに来てもらって直してもらいました.新道さんは,緑のまちづくり協会とも関係の深い「百年の森づくり」の仲間で,すばらしい方です.

 襖(ふすま)などの修理は,阿蘇でオートキャンプ場「遊牧民」をしている松本さんの本業が建具屋さんで直してもらったものです.感謝!


<夕食作り

 田舎では,風呂を沸かすのも,ご飯を作るのも結構大変で,昔は子供たちも手伝っていました.今回は,みんなでカレーを作りました.タマネギなどを切っています.写真にはありませんが,園村さん,北永さん,井上さん,丸山さんなど女性軍が活躍していました.

 ご飯は,裏山の竹を燃料に木之内農園のお米を竃(かまど)で羽釜を使って炊きました.囲炉裏の周りで暖をとっています.手前で帽子をかぶっている緒方さんは,阿蘇の野焼きのボランティアとしても活躍しています.

 
 ジャガイモやニンジン,タマネギなどは前日行われた九州東海大学の建学祭の折収穫して来たものや岩下一之進さんが波野で作られたものばかりでした.サラダのパプリカは波野産で卒業生からの差し入れ,キャベツ,トマトは波野産,チコリーは研究室でつくられたものでした.カレー粉と肉をよそから購入しましたが,高い自給率でした.


 ヒラタケも田添さんが山のように持って来てくれました.小さい時にはシメジのようですが,大きくなるとこんなになるのかと驚きました.子供の頃,隠れ家にしていたクスノキにもヒラタケが生えていたことを思い出しました.天ぷらやみそ汁などにしていただきました.


<四方山話>

 囲炉裏を囲んで旧波野村の元村長岩下一之進さんの四方山話です.波野村での昔の生活,将来の夢など興味深い話をしてもらいました.周りに人を集める不思議な魅力を一之進さんは持っており,子供達にもそれが感じられたようです.


<団らん>

 夜は囲炉裏を囲んでスタッフで団らんしました.サツマイモも大学で取れたものでした.左から河崎さん,田添さん,境さん,一之進さんです.


<焚き火>

 翌朝は,早起きして焚き火をしながら,ラジオ体操やご飯炊きをしました.マフラーをして立っている女性は丸山さん,遠くにいるのは北永さんです.

 五右衛門風呂は,大人気で,また,まだ暖かかったので朝風呂に入った子供もいました.焼きおにぎりを頬張(ほおば)りながら火の番をしました.お風呂の窓からのぞいている子供がいます.


<野菜収穫

 夏に行われた第2回波野プレイリーダー養成研修(2006年8月)で,このキャンプのため阿蘇地方在来のトウモロコシを播種したものを子供達が収穫しました.指導は田添さんでした.


 トウモロコシを収穫している子供達です.ちょうど適期でした.

 竹笛がブームになりました.収穫をしている時も,登山している時もうるさいくらいでした.

 トウモロコシは焼いて食べました.


<朝食>

 焚き火の残りで,焼きおにぎりをしました.

 朝食です.

 ピースは幸せの意思表示でしょうか?


<荻岳登山>

 波野の家をバックに,いざ出発です.河崎さんは,翌朝,早起きしてラジオ体操前に荻岳に登って来たそうです.阿蘇の100kmマラソンに出たというだけのことはあります.

 途中,植物観察をしながら登山しました.麻の原料であるカラムシの茎の皮が非常に強く,山の中でひも代わりに使えることやホウセンカの仲間のツリフネソウの実は触るとはじけることなど興味深く聞いてくれ,実際に体験していました.

 アキグミがたくさんなっていましたので食べました.普段美味しいものを食べている子供にも人気がよかったのには驚きました.

 放牧している牛の群れに出合いました.まるで,野生の牛のようでした.

 もう少し登ると山頂です.この付近には,リンドウやヤマラッキョウなどきれいな花がたくさん咲いていました.一番右にいるのが登山隊長の東さんです.毎月のように登山をしているベテランです.

 四方える(843m)荻岳山頂です.

 レンズを使って火をつけて見せたら流行りました.紙の黒い部分だとすぐ煙ができ,枯れ草を使って火を起こすことができることなどを体験しました.子供は好奇心の固まりでした.

 お稲荷さんを通って下りました.


<中江神楽>

 阿蘇市(旧波野村)中江の神楽殿では,5月から11月まで第一日曜の1時から神楽をしています.重要無形文化財ですが,無料で見られます.また,波野では,小学生80名の内40名が入っているという人気の部活が神楽部です.最初の演題が「四方礼始」で,同年代の子供達が演じました.

 舞い手が観客とシロダモの枝を引き合う「柴曵(しばひ)き」です.子供達も真剣に引き合ったり,舞台から下りて追いかけてくる舞い手から逃げ回ったりして楽しんでいました.


<縄跳び>

 神楽を見て帰って来てからお迎えが来るまで時間があり,まだまだ,元気の残っている子供達は縄跳びをして遊んでいました.企画した行事ではなく,自分たちで始めたものです.テレビがなくても外で遊べることは一杯あります.


<閉会>

 隊長の竹原さんの挨拶です.今年も素直ないい子供達ばかりでした.ここで学んだ「知恵」を子供たちが伝承できればと思いました.迎えに来た保護者の方達に報告をする子供達の目は生き生きとしていました.