第6回波野プレイキャンプ

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<開会式>


2005年8月6,7日に波野の家で子供達12名を集めてプレイキャンプをしました.緑のまちづくり交流協会の協力で,熊本グリーンヘルパーの会が行ったものです.鹿児島から二人,福岡からは家族でグリーンヘルパーの方が協力に来ていました.


<竹食器作り>

まず,最初にしたのは裏山から孟宗竹の竹切りでした.先頭で指導しているのは,今回の総合責任者の竹原さんです.

行いの良い人が多かったのでしょう,外で作業している間は降らず,運び終わる頃から雨が降り始めました.

 孟宗竹で箸やスプーン,皿,コップなどを作りました.ノコギリやナタ,ナイフを使ったり,紙ヤスリをかけるなど初めてにしては上手に作っていました.その他の竹細工です.中央にいるのは熊本グリーンヘルパーの会の会長,河崎さんでした.


<竹馬作り>

竹馬に使うには,孟宗竹は大きすぎます.裏山には,クマザサを含めて4種類の竹があります.細い真竹を切って使いました.

竹馬を作ったのは,境さんと田添さん(左)です.右で覗いているのはグリーンヘルパーの岩下さんです.竹を曲げるのにバーナーと水を用います.結ぶひもはクズの蔓を数日前から準備していたそうです.

今年は数人の子供達が最初から上手に乗れました.することが多くて竹馬にチャレンジする時間は限られていましたが,2日目で乗れるようになった子供もいました.後ろで見ているのは岡田さんです.


<木登り>

鹿児島から来た鹿児島グリーンヘルパーの会会長,福ヶ迫さんは,チェーンソーの達人です.他の会員の方もチェーンソーを自在に使いこなすのですが,福ヶ迫さんは,達人といってもいいでしょう.チェーンソーを使い,竹でフォークを作っていました.その他,色んなことができますが,今回は木登りを指導してくれました.

実際に子供達を指導してくれたのは鹿児島グリーンヘルパーの会の福留さん(中央の女性)です.福留さんは,知的障害者の方の介護をされている方で,岩登りも趣味の一つだそうです.子供達は最初ロープの使い方に苦労していたのですが,すぐに上手になりました.

煙突よりちょっと上のアカメガシワの枝まで登りました.下にいる大人の身長から判断して6mはあると思います.高いところから見ると世界が違って見えます.

緑のまちづくり交流協会の園村さんです.この人がいるから九州各県のグリーンヘルパーの会が成り立っているといっても過言ではありません.すばらしい人です.じゃんけんで登る順番を決めていました.


<セミの羽化>

グリーンヘルパーの岩下さんが,羽化したばかりのセミ(恐らくヒグラシ)を見つけました.見る見る間に羽が透明になって行きました.子供達に生きることの感動を与えました.


<料理>

夕食作りも自分たちでしました.カレーライスです.ジャガイモは隣の農家の岩下さんが収穫したばかりのものをたくさん持ってきてくれたものです.大きなカボチャも持ってきてくれました.おばあちゃんは「隣りのトトロ」に出てくるおばあちゃんのようで波野の家がみんなから「トトロの家」のようだと言われる一因にもなっています.

以前,我が家は,電気炊飯器を買うお金もなく,私の娘達は羽釜で炊いたご飯で育ちました.逆に,参加した子供達にとっては竈(かまど)で羽釜を使ってのご飯炊きは初めてでした.火吹き竹を使って火をおこし,お焦げもほとんどない美味しいご飯ができました.

火をおこし,炭で焼きご飯を作りました.右手前が北永さん,その向こうが村田さん,一人置いて今回の総合責任者の竹原さんです.今回の子供キャンプの大成功も隊長のリーダーシップだけでなく,裏での下働きなど献身の努力のお陰です.


<天体観測>

福岡からもグリーンヘルパーの近藤さんが一家4人で来られました.近藤さんの趣味は天体観測です.モーターで星を自動追尾する20cmの天体望遠鏡で木星の観察,天体の話などをしてもらいました.木星の環だけでなく,4つの衛星もよく見えました.月もなかったので昼のにわか雨が嘘のようにすばらしい夜空でした.天の川がこれだけよく見えるところは日本にもそれほどないのではないかと思います.はっきり言って「ど田舎」です.


<ロープワーク>

 ロープワークの指導は境さん(右)でした.ロープワークは復習しないとすぐ忘れてしまいます.家に帰った後でも復習できるように冊子を作ってきてくれました.


<トランプ>

 
ロープワークの後はトランプなど子供達は9時頃まで楽しんでいました.


<昆虫採集>

 マレーゼ・トラップの様な仕組みを作って夜の昆虫採集をしました.カブトムシを一匹,クワガタを一匹捕まえ,子供達は興奮していました.左は一緒に喜んでいる岩下さんです.


<起床>

波野では一年中6時になるとカッコウの歌の放送で目が覚めます.ただし,波野で野菜を作っている共同所有者の木之内農園の小山君達はすでに畑に出かけていました.福ヶ迫さんも荻岳に登り,初日の出を見てきたそうです.

6時半になると拡声器でラジオ体操が始まります.後ろの家は五右衛門風呂ですが,水漏れのため昨日は荻岳温泉に行きました.七月初めには問題なかったのですが,ヒビが入っているようです.昔なら鋳掛け屋さんを呼んで直してもらっていたのでしょうが,今では鍋が割れても修理をして使う人がいなくなり,若い人には鋳掛け屋さんといっても分からないでしょう.なお,右後ろにいる黒い犬は花です.子供達にも可愛がってもらいました.


<ゴボウ>

子供が取っているのはゴボウの花と実です.九州地方の方言で「バカ」とも呼ばれるキク科のオオオナモミの実(マジックテープの発想)を大きくした様な果実で花は紫色です.服にくっつけあって遊んでいました.


<竹細工>

竹で作った鉄砲です.エゴノキの実などを弾にしてよく飛びました.境さん(左)は,子供達がおねだりすると腰の痛いのも忘れて色んなものを作ってあげていました.鉄砲で遊んでいるのは,娘の代わりに来た友達で大宅美江さんです.非常勤で小学校の先生をしていますが,娘と波野には何度も来ています.子供のお姉さん役で活躍しました.

竹で作った雀脅しです.大きな音が鳴ります.野球場などで応援に使うといいと思いました.鳴らしているのも,大宅さんでした.


<野菜の収穫>

波野は,夏野菜の大産地です.昨年から木之内農園でも波野で露地野菜を作っています.そこでキャベツの収穫をさせてもらいました.キャベツの収穫の仕方を知っていますか?抜くのではなく,球の部分だけ切るのですよ.

トウモロコシの品種,‘未来’を収穫し,生のまま食べる新品種‘ピクニックコーン’と比較して生のまま試食しました.スウィートコーンは生で食べても甘くて美味しいです.


<荻岳登山>

家を10時に出発し,荻神社のご神木であるスギの木を見ました.台風で折れるまでは2本杉だったそうですが,半分でも大人を含めて12人でようやく結ばれる大きさでした.

四方える(843m)頂上まで後一息!子供達を先頭に元気に歩きました.阿蘇山,久住山,祖母傾山をの大山塊の中央に位置し,長崎,佐賀,福岡,熊本,宮崎,大分という九州の大部分の山が見える大パノラマです.

全員無事に登頂し,お昼ご飯を食べて下りてきました.

下りる途中,フジの蔓をブランコにして遊びました.


<中江神楽>

5月から10月まで第一日曜の1時から阿蘇市(旧波野村)中江の神楽殿で神楽をしています.波野では,小学生80名の内40名が入っているという人気の部活が神楽部です.最初の演題が「四方礼始」でその子供達が演じました.熊本市内から来た子供キャンプの参加者は一番前列で見ていましたが,同じ年頃の子供たちが舞う神楽を見て何を思ったことでしょう?

 11年前,NHKの衛星放送で24時間33座を演じてから中江神楽は日本で最も有名な神楽になっており,毎年5月には波野に全国の神楽が集まり,競演します.笛,鐘,大太鼓,小太鼓の奏者も舞い手も普段はキャベツやトマトなどを作っている近所の農家の人たちです.


<閉会>

保護者の方などが迎えに来て2日間の思い出など一生懸命話していました.「テレビがないことを心配してきたけど忘れていた」という子供もいました.思いでの物を持って最後に記念写真です.みんなの笑顔,素敵だよ.