（第４話 ニワトリは寝坊）
ニワトリを飼うと朝からさぞかしうるさいだろうと思う方と田舎の情緒ある懐かしい風景に感じる方がいるに違いない．苦情が出ないように，近所の方とは，子供がいればニワトリを触らせてあげたりしてできるだけコミュニケーションを取るように心がけている．
それは，さておき，ニワトリは案外寝坊である．確かに鳴き始めるのは，早い時には４時頃からであるが，鳴いているだけで木からすぐに降りて来ようとはしない．人間が庭に下りるとそれなりに早く下りてくるが，実際に木から降りてくるのは７時頃，ばたばたと舞い降りてくる．活動もしないのに鳴くのは迷惑な話であるし，生き残り戦略から言えば，寝床を教えるのは問題があるように思えるし，どうせ起きているのであれば，地面に下りて餌を探した方が良さそうに思えたし，いつまでも木の上で鳴いている理由がこの文章を書くまで思いつかなかった．
１５話 にも書いたが，ニワトリの場合，巣と寝床が異なり，朝，雄叫びを上げるのは，メスが卵を抱いている巣の場所をごまかすため危険を冒して鳴いているものと考えると納得できる．そのためには，寝床にしている木の上でしばらく鳴き続け，外敵の注意を寝床に注意を引きつけて置かなければならないからである．鳴いて寝床を知られるのが怖いのであれば最初から鳴かない方がましである．
活動もしないのに鳴き続けるのは確かに迷惑な話であるであるが，これらのことに気付き，当然であると思ったし，納得できた．