〜田舎暮らし,自然との出会い〜
<ニホンアナグマ>
2007年8月4,5日に波野の家で熊本グリーンヘルパーの会が第8回波野子供プレイキャンプをしました.子供達は,いろんな動物や植物と出会い,満天の星空を満喫しました.
<オリエンテーション>
境さんがサクラやケヤキの木を使って準備していた名札を胸に開会式に参加しました.
<掃除>
当日,参加できませんでしたが,鳥飼さん夫婦,東さん,古川さん,木之内農園の小山さんなどたくさんの方に7月21日の掃除などに協力していただくなどしてこのプレイキャンプができました.
<隊長>
司会をする園村さんと隊長の境さん(左)です.
<昔のもの作り>
最初にしたのは裏山からの竹切りです.岡田さん(左)や境さんなどが指導して,全員が一本以上切り倒しました.大きな竹が倒れる時には,歓声が聞かれました.
<葉を持たない植物>
竹林の中に,赤いツチアケビが実を着けていました.何と,これでもラン科植物です.
<食器作り>
切った竹で,緒方さんや岡田さんなどが,箸や皿,コップなど食器の作り方を教えていました.
女の子もナタやノコギリ,ナイフなどを使って作りました.左下にあるのは岡田さんが作って来たガラスナイフ(割ったビール瓶をビニールテープで怪我をしないようにしたもの)でナイフとして非常に役に立つことを覚えました.実は,石器時代の石のナイフも,電子顕微鏡で使うガラスナイフも同じ発想です.
緒方さんの支えで4歳の省吾君は,早速竹に登りました.後ろで井上さんと園村さんが羨ましそうに見ています.『私ものぼりたいなあ〜』
<ロープワーク>
グリーンヘルパーの会,会長の河崎さんが,ロープワークを指導しました.
<縄ない>
堺さんに稲わらで縄ないを教えてもらいました.私たちが,子供の頃には独楽(こま)を回すのにも麻を買って来てヒモを親が編んでくれました.足の親指でわらの端を挟んで両手で揉むようにして撚(よ)りを入れます.
<水鉄砲1>
水鉄砲を作って飛ばしました.
<水鉄砲2>
ビー玉(九州の一部ではラムネともいう)を入れ,細い方の竹にも穴を開ければこのような水鉄砲もできます.水を吸う時にはこのように親指で孔(あな)を塞(ふさ)ぎます.
<紙鉄砲>
紙鉄砲も作りました.空気の圧縮で飛ばします.
<紙鉄砲の弾>
私が子供の頃,ちり紙などは貴重だったので,エゴノキの実やヤツデの実を弾にしていました.境さんが選んだ鉄砲の弾は,もちろんエゴノキの実でした.因みにエゴノキの実には毒があって岡田さんは潰して川に入れ魚を取ろうとしたことがあるそうですが,効かなかったそうです.
<自在鈎(かぎ)>
南さんや境さんが自在鈎を作って持って来てくれました.感謝感激です.
<野生動物との出会い>
<ニホンアナグマ>
「アナグマがいるからお出で」という声で,子供達はすっかり熊が出たと勘違いしていたようです(笑い).東京から参加した巧真君でなくても街で野生動物と出会う機会はすっかりなくなりました.かつて「むじな」と呼ばれたのは,この動物であると言われ,多くいたそうですが,都市部まで生息するようになったタヌキと異なり,出会うことは少なくなりました.
<ヒキガエル>
熊本市内でもすっかり姿を消してしまいました.
<ヒキガエルを持つ>
最初は怖々持っていました.裏返しにしてお腹を撫でるとおとなしくなります.
<カブトムシ>
夜にはカブトムシのオス2匹,メス1匹,カミキリムシ,セミ(ヒグラシ)クワガタなど家に居ながらにして昆虫採集ができました.
<ナナフシムシ>
大きなナナフシムシがいました.子供達は後で山登りの途中でも見つけた様です.パプアニューギニアでは世界一大きなナナフシムシを子供達が喜んで食べる話をしたら驚いていました.
<ハエたたき>
南さんが,シュロの葉でハエたたきを作ってくれ,大吾君が早速使っていました.
<収穫>
木之内農園のトウモロコシを収穫しました.雌花のヒゲは雌しべで種の数だけあり,早く咲いたものほど褐色にひからびていることを学びました.
<生のトウモロコシ>
まずは,生のトウモロコシを食べました.甘くて美味しかったです.
<取ったぞ〜〜>
一之進さんのお世話でジャガイモの‘出島’を収穫しました.
<ジャガイモ>
かかえられないくらいジャガイモを掘りました.
<農具>
古い農具の博物館ができます.名前を忘れましたが,マメなどを叩いてサヤから出す道具です.内山さんの写真が少なかったのですが,実は裏方として活躍していました.
<食べる>
田舎では,風呂を沸かすのも,ご飯を作るのも結構大変で,昔は子供たちも手伝っていました.今回は,みんなでカレーを作りました.ネギなどを切っています.
<竃と羽釜>
南さんを中心に子供達も竃(かまど)でご飯を炊きました.羽釜(はがま)にちょうどいいくらいのおこげができました.お米は木之内農園のものです.
<台所>
(左から)戸田さん,園村さん,近藤さん(+井上さん)など女性軍が活躍していました.戸田さんは脱サラで福岡から波野に移り住み,窯元を開いています.地元のダゴ汁などを作ってくれました.
<いただきます>
夕食はカレーをいただきました.
<黒い豆腐>
旧波野村の元村長で阿蘇市の市会議員の岩下一之進さんが,わざわざ豆腐を作って来てくれました.材料は,何と自分で作った波野の黒大豆です.雪花菜(おから)も黒かったです.一之進さんは,どうすれば波野をよくすることができるかを第一に考える方で,私達が波野に子供達を連れてくることを心から喜んでくれます.他の材料も地元のものばかりでした.
<朝食>
朝は,火を興(おこ)して魚などを焼きました.
<波野の夜>
いつもなら囲炉裏を囲んで旧波野村の元村長岩下一之進さんの四方山話ですが,今年は手品をしてもらいました.この後,負けじと南さんもロープを使ってパズルを仕掛けました.子供達はなぜなぜと秘密に迫ります.
来年は,プロのマジシャンを呼ぼうかな? 弟達よ,見ているかい? ただし,ボランティアだよ!
<天体観察>
夜は,福岡から大きな望遠鏡を持って来た近藤さんによる星の話です.いつものことながら天の川などよく見えるのはいいのですが,波野は星が多すぎて私にはかえって分かりにくいです.人工衛星があんなにたくさん見えるとは思いませんでした.
夏の大三角形を成す,はくちょう座のデネブ,こと座のベガ(織姫),わし座のアルタイル(牽牛、彦星)の話に始まって,さそり座(アンタレス)やいるか座の話,星の瞬き,銀河のイメージなど流石に奥が深いと思いました.その後,木星には,縞模様や衛星が4つはっきり見えました.みずがめ座流星群の流れ星といっても,それほど多くはなかったのですが,子供達には始めての流れ星と言うことで,歓声を上げていました.
<朝のラジオ体操>
朝は,6時半にラジオ体操をしました.
<荻岳登山>
波野の家をバックに,いざ出発です.
<山頂でお昼>
四方八方よく見える(843m)荻岳山頂で,ご飯を食べました.
<ブランコ>
フジのツルを使ってブランコです.子供に人気のいいスポットです.
<中江神楽>
阿蘇市(旧波野村)中江の神楽殿では,5月から11月まで第一日曜の1時から神楽をしています.重要無形文化財ですが,無料で見られます.波野では,小学生による子供神楽も進化しています.今年は何と「五穀舞」を演じました.
<トラウマ>
昨年,「柴曵(しばひ)き」で,舞台から下りて追いかけてくる舞い手に捕まり,親から引き離され,トラウマになっていた省吾君は大人のそばから離れようとはしませんでした.
<綱武>
私にとっても始めての演題でした.荒くれ者の須佐之男命が中心の話で,舞台から下りて来て暴れ回り,4人が取り押さえるという内容でした.舞台と観客とが一体となって面白い展開でした.
今年の子供は,少数精鋭で,素直ないい子供達ばかりでした.自然の動物や植物に接し,波野の生活から得たことは一生の宝となるに違いありません.